産業機械や日常になくてはならない機械部品、補修、交換パーツの切削加工
熱処理後の仕上げ加工を得意とする会社 切削達人 永田製作所 代表の永田です。
先日、お客様から品質不良の一報がありました。
何度か納品している製品なのに今頃どうして?!
と思いましたが、NG品の返却を待ちました。
(その製品は、爪より小さく微細な製品で様々な加工をしています)
そして、手元に返却されてきた製品と内容を確認しましたが...⁇
内容は、バリ(削りカスが付着している状態)ですが、
目視はおろか、拡大鏡を使用しても、
どこを指しているのか分かりません・・・
お客様に電話で確認しても、
バリはゼロという返答しかなかったため、
たぶんココだろうと見当をつけ、
先の尖った工具などを使い除去し、
改めて再納品しました。
すると、
またまたNGで受け入れできないとのこと・・・
先方からは、NGの箇所を指摘していたにも関わらず
再発したために連絡しなければならない手間と、
生産ラインストップに成りかねない状況下から
厳しい口調で叱責されました。
『なんでやねん!もう無理や。
拡大鏡で見て、取れる部分はすべて除去して完璧に納品したのに!!』
と、
私とスタッフからは、諦めと不満しか出てきません。
頭を下げてお断りした方が楽だということ気持ちが
脳裏をかすめましたが、諦めるのは簡単!
いま一度、どのように組付け、
機械として使用されるのかを確認することにしました。
ご担当者からは、
『主要部品として扱われ、高速で稼働し、
もし小さなバリが基盤の上にでも落ちたら
たちまちショートして、機械が壊れてしまう。
だから顕微鏡でバリを有無を確認している!』と、
聞くことができました。
確かにそう言われると、言い返す言葉が見つかりません。
私たちは、モノづくりのプロだいう固執したプライドと経験が邪魔をして、
相手の立場に立って見たり、考えたりすることが出来ていませんでした。
加工上、どうしても不可能なことは多々あります。
事前に打ち合わせし、承諾頂いて発注となった場合は、
それで問題にもなることはないし、
それ以上の要求がきたら断ることも可能だと思います。
しかし、していない場合は、
当然のことながら先方は100%を求めてこられます。
当たり前のことですよね!
当たり前のことなのですが、当たり前と思えない自分がいました。
バリの理解も出来てからは、
手先の器用なスタッフの頑張りで、無事合格に至りました。
見積り段階から、経験を活かし、あらゆる状況を想定し、
見積り条件と最適な価格、納期を掲示する。
簡単なようで、そこがめちゃ難しいですよね!
また、どのような機械に使用されるのか?
置かれる環境など⁇できる限りの情報収集も大切だと思います。
それが出来て初めて
本当のモノづくりのプロと言えるのではないでしょうか。