東大阪の切削達人 永田製作所の代表 永田弘です。
先日、十数年来お取引をしているお得意先のご担当者様が、定年退職されるとのことで、ご挨拶に来られました。
さらに遡ること十数年前。
このご担当者様とは、とあるメーカー様での競合先で、弊社の会長と、会合や、納品などで顔を合わせることも多く、仕事を取り合う中でした。
しかし、月日が経ち、そのメーカー様もなくなり、部品調達で困っておられた際に、会長の顔が真っ先に浮かんだとのことで、弊社に相談に来られたのがきっかけで取引が開始しました。
その当時、私は現場で機械を担当して、営業などしたことが無いペーペーでしたが、会長から見積り~納品まで全ての窓口を担当するように指示がありました。
材料代の計算や、加工秒数の算出、そして利益の計算など・・・
見積りに関わること全てが初めてのことばかりで、毎日テンパっていました。
おかげさまで、少しづつ注文を頂く機会が増えていく中で、慣れはじめしまいには、調子に乗り、やっつけ仕事でこなしていくようになりました。
そんな矢先、私が加工した製品で不良が発生しました!
ここでは詳しく書きませんが、日本全国の病院に納められた機器に組み込まれた部品で重大な市場クレームとなりました。
一時は、会社が傾くほどの補償や、対策などで1年の歳月を費やし、ようやく日常を取り戻しはじめた頃、ご担当者様から、『永田さんの所から、安心して使用してたんやで!イチから信頼取り返してや!!』と、言われハッとしたのを今でも忘れることができません。
図面通りに加工して納めるのは当たり前!
機械さえあればどこでもできます。
それなのに、お客様はなぜ当社に注文を出してくれるのか??
私は、仕事に追われる中で、モノづくりで一番大切な『信頼』というモノを理解していなかったのです。モノを作る際、材料に対して、工具の選定、回転数、プログラミングも大切ですが、積み重ねてきた実績(品質管理)と信頼は、すぐに出来上がるものではありません。
祖父や会長が、お客様に対して歳月をかけて、積み重ねてきたから今日があるのです。
それをいとも簡単に崩したのが、私でした。。。
この出来事があってから、モノづくりに対する向き合い方が変わりました。
そして、このご担当者様の言葉を頂かなければ、知らないまま仕事をしていたと思います。
会社が無かったといっても言い過ぎではないでしょう。。。
昨日の敵は、今日の友。
ご担当者様、お疲れさまでした!
そしてありがとうございました!
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